企業ユニフォームのウソ?ホント?

事務服やワーキングウェア、サービスウェアなど世の中には、さまざまな企業ユニフォームがあふれています。ユニフォームをCIの一環と捉える企業が増え、かつては地味なデザインが当たり前だったユニフォームにも今ではずいぶん個性的でおしゃれなものが増えました。

しかし「実用的でおしゃれ」なだけで十分でしょうか?企業ユニフォームは、企業が定め、個人が着て、社会の中でも活躍する衣服です。本当に価値があるユニフォームには企業・個人・社会すべてを輝かせる力があるのです。企業が自社の存在と個性をアピールできるだけでなく、着る人が誇りを持ってイキイキと働き、社会も活性化する。そんな3つの条件を満たす企業ユニフォームが少しでも世の中に増えることを願って、このページを作りました。モデルチェンジを成功させるために、ぜひお役立てください。

ユニフォーム研究所

ユニフォーム、10の思いこみ?

思い込み その1

人は「暑さ寒さをしのぐ」「危険から身を守る」という理由だけで服を着るわけではありません。毎月、多くのファッション誌があれほど熱心にTPOに合わせた服装の着こなしを提案し続けているのも、服装が自己アピールの大きな手段になるからこそ。「エレガント」「シック」「カワイイ」…。着ている服のイメージは、着ている人のイメージを左右します。魅力的な人ほど、服を上手にコミニュニケーションに活用しています。

企業ユニフォームも同じです。ただし、普通のおしゃれと違うのは「着ている個人」ではなく「着せる企業」をアピールする服であるところです。たとえばキャビンアテンダントが着るキリっとしたスーツ型ユニフォームは、その航空会社の洗練されたサービスをイメージさせますし、調理師や看護師が着る白衣は、病院やレストランの清潔感やプロフェッショナル性を強くアピールしています。

すぐれた企業ユニフォームとは、顧客や社会に企業のイメージを正しく伝えるコミュニケーションツールでなければいけません。作業性に優れていることは、もはや当たり前。どんなメッセージを発するか…それこそが、企業ユニフォームの最も大切なポイントなのです。

色を味方につけよう
色はユニフォームの第一印象を大きく左右します。企業のテーマカラーを上手に取り入れるのが理想ですが、職場環境との調和や視認性を考慮すると別の色にしたほうがいい場合も。企業全体でトータルなイメージを発信できるよう慎重に選びましょう。

思い込み その2

同じ色、同じ型、無難なデザイン…・「ユニフォーム」と聞くと、そんな無個性な服を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか?ところが最近では、着用者のセンスや個性でコーディネートが楽しめるタイプのユニフォームが増えています。

たとえば、何色ものバリエーションの中から好みの色が選べるカラフルなユニフォーム。あるいは、ジャケットとブルゾン、シャツとTシャツ、パンツとスカートなど、さまざまな組み合わせが楽しめるコーディネート型のユニフォーム。さらには「ぴったり/ゆったり」「ストレート/ブーツカット」など、シルエットが選べるジャケットやパンツも人気です。

企業ユニフォームは学校の制服と違い、年齢、体型、性別など、着用者の属性がバラバラになりがちです。そこで着用者のバリエーションに合わせて選択肢を増やせば、一人ひとりの満足度が高められるというわけです。

ただし、ユニフォームとしての統一感はキープしなくてはいけません。色やデザイン、ロゴマークの使い方などを工夫して、トータルイメージを損なわないように配慮しましょう。

オプションでオリジナル仕様に!
カタログからユニフォームを選ぶとき、オリジナリティを出すカギが「オプション」です。企業ロゴを入れたり、素材を変えたり、ポケットをふやしたり。メーカーによって対応できる範囲が違うので、どんなオプションがどこまで可能か、発注前によく確認しておきましょう。

思い込み その3

「ユニフォームを一新しました」という企業広告をよく見かけます。新しいビジョンを発表したり、新事業を立ち上げたりするとき、企業は新しいユニフォームにして「企業の変化」を目に見えるカタチでアピールしようとします。ユニフォームは企業広告なのです。

ユニフォームは「動く看板」にもなります。ユニフォームを着た社員が街の中で活動していれば、企業名は企業ロゴが自然と人の目に触れます。これが親近感アップや知名度アップにつながるのです。また、リクルート広告としても有効です。「あの制服が着たい」という憧れは「あの会社に入りたい」という動悸につながるからです。

このように、ユニフォームにはプラスの企業イメージを発信する力があります。しかし逆にいうと、魅力的でないユニフォームを使い続けている企業は、知らず知らずのうちにマイナスイメージを発信してしまうということです。

ユニフォームを採用しているすべての企業は、ユニフォームが「社内向けの作業着」ではなく「社外で一目にさらされる社会的な服装」であることを自覚する必要があるといえるでしょう。

企業イメージがこんなに変わった!
◎先生のユニフォームを若々しく変えたら、若い生徒が増えた(自動車教習所)
◎訪問した時に安心してドアを開けてもらえる(マンション管理会社)
×制服を廃止したら、顧客のクレームが増えてしまった(銀行)

思い込み その4

職場にユニフォームがあると、従業員にはさまざまなメリットがあります。まず、わざわざ仕事用の服を買わなくていいので経済的です。出勤前に服装を考える手間もかかりません。オンとオフを切り替えやすく、通勤中のおしゃれも楽しめます。求人広告に「制服支給」「制服貸与」の文字が欠かせないのもそれが確実に福利厚生の意義を持っているからといえるでしょう。

これらのメリットに加えて、危険がともなう特殊な職場環境での業務の場合、安全性の高いユニフォームを支給すれば、従業員に対する真摯な企業姿勢を従業員に伝えるためにも役に立つでしょう。

近年では、環境意識の高まりとともにオフィスウェアの軽装化が進んでいますが、ユニフォームに温度調整しやすい工夫を取り入れれば、理想的なクールビズ、ウォームビズを実現させることも可能。ユニフォームは職場環境を向上させる手段にもなるのです。従業員満足を高めるために、ユニフォームにはまだまだ活用の余地があるといえるのではないでしょうか。

ユニフォームがあってよかった!
◎私服より通気性や吸汗性がよくて着心地がいい!(運送会社)
◎ユニフォームができて、プロとして誇りが持てるようになった!(福祉施設)
◎お客様からスタイルがいいと、よく褒められる(フィットネスクラブ)

思い込み その5

「安いユニフォームで経費を節約しよう」「経費削減のためにユニフォームをやめよう」ユニフォームを採用している企業からそんな声が聞かれることがあります。ユニフォームを事務用品のような「消費財」としか見ないのならば、それは間違いではありません。しかし本来、ユニフォームは「生産財」として利益を生み出す可能性を秘めているのです。 たとえばある工場で、ユニフォームを導入しただけで生産量が増え、ミスが減ったという例があります。ユニフォームを着ることで従業員のプロの意識がめざめた結果です。

フォーマルな服装の日は物腰が上品になり、カジュアルな服装の日は行動がくだける…という経験は誰でも覚えがあるでしょう。ユニフォームも同じです。カラフルでカジュアルなユニフォームを着たスタッフは元気な接客をしやすいでしょうし、フォーマルなユニフォームは丁寧なサービスにつながります。目的意識のある質の高いユニフォームは、着る人の仕事の質まで工場させてくれるのです。

しかしそんな効果も、単なる「作業着」には期待できません。ユニフォームにかかる費用が経費になるか、投資になるか。それは企業の考え方一つにかかっているのです。

モラルアップ効果を実感!
モデルチェンジの効果を実施企業にたずねると、4割近くの企業が「社員のモラルアップ」を実感しています。

思い込み その6

ユニフォームのデザインを決定するのは誰か…。かつての「制服」では、社長や取締役会のような企業の経営トップ、あるいは総務部や人事部のような担当部署が決定して着用者に支給するというトップダウン方式が主流でした。しかし、着用しない人間が主観で決定すると、必要な機能が備わっていないなど、実用面で不備が出やすく、着用者の不満のもとになりがちです。また、どうしても「お仕着せ」という意識を持たれやすく、せっかくの制服に愛着を感じてくれないという問題もあります。

では、着用者が好みで選べばよいのかというと、それも間違いです。普段着を選ぶような感覚で好みの色やデザインを選んでしまっては、企業はユニフォームで戦略に沿ったイメージを発信することができません。これでは企業ユニフォームとしては失格です。

企業ユニフォームには、色やデザインを選ぶにも戦略的視点が必要です。最初に経営トップが目的をきちんと提示し、担当部署がその目的に応じた予算を策定。目的と予算に沿うものを、着用者の意見も取り入れながらつくりあげていくのが理想といえるでしょう。

ユニフォーム委員会を活用しよう!
客観的なユニフォームづくりの役に立つのが「ユニフォーム委員会」です。経営幹部、担当部署、着用者から代表を選んでプロジェクトチームを作るのです。違う立場の人間が活発に意見交換をすれば、誰かの主観に偏らない満足度の高いユニフォームづくりにつながります。

思い込み その7

ユニフォームというと、同じ型の服を大量に発注する、というイメージがありますが、それは大きな間違いです。短期間だけ着用するイベント用のユニフォームならいざしらず、企業の顔として長く使いたいユニフォームは、将来的に必ず小ロットで追加発注しなければいけない時がくるからです。

たとえば新入社員が入社した時、何かの事情でユニフォームが破損してしまった時、一時的にマタニティサイスのユニフォームが必要になった時。いずれも1枚単位で追加発注できなくては困ります。

初期導入のときでさえ、既製のサイズではどうしても対応できない体型の社員や、特定の繊維に反応するアレルギーがある社員がいれば、サイズや素材をアレンジした特別仕様のユニフォームを1枚単位で作らなければなりません。

ユニフォームは、導入がゴールではありません。安心して長く使い続けることができてこそ真価を発揮するものです。大量発注しかできないようなユニフォームは、よい企業ユニフォームの条件を満たしているとはいえません。

3つの質問で業者をチエック
長く付き合えるユニフォーム業者を選びたいなら、こんな質問をしてみてはいかが?すべてに「できます!」と明快に答えてくれる業者なら安心して任せられます。
●1枚だけでも追加発注ができますか?
●5年後に追加発注できますか?
●マタニティ用にアレンジできますか?

思い込み その8

街のカフェやレストラン、ショップを観察していると、ポロシャツやTシャツ、チノパンツなど、普通のカジュアルウェアと見間違うようなワーキングウェアが増えています。しかし本当にユニフォームをカジュアルウェアで代用しようとしたら、すぐに傷んで使い物にならなくなってしまうでしょう。カジュアルウェアとユニフォームでは、そもそも求められる機能が違うのです。

ユニフォームは、毎日のように長時間にわたって着用する衣服です。激しく動いても摩擦しにくく、繰り返し洗濯しても毛玉だらけになったり伸びたりしない強い生地でなければ用を足しません。そのため、ユニフォーム用として作られたアイテムには、一見普通のカジュアルウェアに見えても、耐久性と風合いを兼ね備えたハイテク素材が使われています。機能性の面でカジュアルウェアとは明らかなな差があるのです。

また、カジュアルウェアは1シーズンで販売を終えることが多く、継続的に同じアイテムを飼い続けることができません。ユニフォームとして代用するのは難しいといえるでしょう。

ユニフォームの機能の例
●吸汗・速乾/汗をかいても快適です。
●透け防止/1枚で安心して着用できます。
●抗ピル/摩擦に強く毛玉を防ぎます。
●防汚/汚れにくく、汚れても落ちやすい。
●涼感/衣服の中を涼しく保ちます。
●帯電防止/まとわりつきを防ぎます。

思い込み その9

モデルチェンジを決意した瞬間にカタログを見たがる人は多いもの。しかし、いきなりカタログを見るところからユニフォーム選びを始めたせいで、うまくいかないケースは意外と多いのです。

企業ユニフォームは、企業のメッセージを社会に伝えるための大切なコミュニケーションツールです。どんなメッセージを伝えるかを明確にしないままカタログを開くと、目先のデザインに惑わされてしまい、本当に目的にあった商品を選べなくなってしまいます。そんな状態では、どれだけ多くの商品を見てもピンとこないのは当たり前。カタログはあくまで補助的ツールと心得て、ますはコンセプトづくりを優先しましょう。

めざすユニフォーム像が明確になれば、デザイン選びにはそれほど苦労しないはずです。条件に合った商品をいくつか選び、今度はサンプルを取り寄せて着比べてみましょう。素材やデザイン、メーカーが違えば、同じサイズでも着用感は違うもの。最終的には実際にスタッフが着用してみて、実用性や着ごこちまでしっかりチェックして選ぶのがおすすめです。

デザイン選びの強い味方!
企業イメージを色やデザインで適確に表現したい・・・。そんなときに参考になるのが、ユニフォームメーカーの「イメージ提案シート」です。膨大なデータをもとに、企業イメージに合ったデザインを提案してくれるので、モデルチェンジに客観的な視点と取り入れることができます。

思い込み その10

企業ユニフォームには「企業イメージを発信する」という大切な役割があります。実際に「企業イメージ=ユニフォームのイメージ」という企業は多いもの。同じデザインのユニフォームをずっと着用し続けることは、確実に顧客の信頼と安心につながります。

ただし、いくらよいユニフォームでも、まったくモデルチェンジをせずに同じものを使い続ければよいというわけではありません。企業の理念や方針に変化がなくても、企業を取り巻く社会環境、企業で働くスタッフ、企業を支える顧客層などは常に変化しています。それらの変化に応じた企業戦略が必要であるのと同様、ユニフォームにも時代に合わせたマイナーチェンジが不可欠です。

たとえば若いスタッフが増えたのに合わせてシルエットを細身に変えたり、仕事中に携帯するモノが増えたのに合わせてポケットを増やしたり、より快適に仕事ができるよう通気性や防寒性のよい新素材を採用したり…。

これまでのイメージを損なわずにユニフォームを進化させる方法は無数にあります。何年もそのままになっているようなら、そろそろ戦略的なモデルチェンジを考えてみませんか。

モデルチェンジのサインはこちら!

コンセプトシートで愛着アップ
新しいユニフォームを配布するとき、正しい着用方法、導入の目的、デザインのポイント、お手入れ方法などをまとめた資料を、ぜひ一緒に配布しましょう。愛着が高まり、効果的に社内の意識統一を図れます。